不動産会社に売却を依頼し、買主様との間を仲介してもらうのが一般的な不動産売却の方法です。
一方、不動産会社に不動産を買い取ってもらうことで不動産を売却する方法があります。
これを「買取」といいます。
◆買い取るのは「買取再販業者」
不動産取引を「仲介」する不動産会社
と
不動産を直接「買い取る」不動産会社
は事業内容が異なります。
仲介を行っている不動産会社の中には買取にも対応している不動産会社も存在はします。
が、基本的に買取を行う不動産会社は「買取再販業者」と呼ばれる、そのような事業をメインに行っている事業者になります。
買取再販業者は、買い取った物件を補修し、最新の設備を導入するなどして物件に付加価値を付けて再販売します。
「フルリフォーム済み物件」として売り出されている物件の多くは買取再販業者の商品と言えます。
※「リノベーション」という言葉もよく見かけると思いますが、大儀的には同じ意味合いと思っていただいて大丈夫です。
もともとは
・リフォーム…老朽化した部分を新築時の状態に戻す
・リノベーション…住まいの価値を高める、新たな機能やデザインを加える
というような違いがありましたが、現在はその違いを厳密に使い分けてはおらず、ほぼ同義に使用されています。
◆再販物件の需要は高い
日本人は古くからいわゆる「新築信仰」が強い国民性です。
しかし、少子高齢化や人口減少、環境問題への配慮などからこの考えが変化しつつあります。
近年ではリフォーム・リノベーションの需要が向上しており、中古物件の価値が見直され始めています。
ただ、このような中にあっても未だに「中古は不安」という声が一定数あることも事実です。
個人間での中古不動産の取引となりますと「一見するだけでは分からないような不具合」や「建物の耐震性」など、専門的な知識がないと判断できない事項について不安に思うのは当然のことと言えば当然なのです。
買い取られて再販売される物件というのは、一度不動産業者が間に入り、再生・バリューアップを図ることで物件の質を向上させており、安心感を補強できます。
新築と比較して安価でありながらも新築並みの設備が備わっており、買い手にとってはメリットが大きいと言えるでしょう。
さらに再販業者から購入することで、新築並みの長期保証を受けられるようなケースもあります。
「買取」はひと昔前まで「売れない物件の最終引き取り先」でしたり、「下取り先」のようなネガティブな認識をされていました。
しかし今では既存住宅(中古住宅)の流通・活用を促進する事業の1つとして大きく注目されている分野です。
次の項でメリット・デメリットを示して、もう少し詳しく説明したいと思います。