不動産の売却を依頼した不動産会社とは「媒介契約」を結びます。
媒介契約の種類によっては1社のみとしか契約できないため、不動産会社選びに慎重になられることもあるかと思います。
ですが媒介契約には「期限」があるため、ずっと同じ不動産会社に依頼し続けなければならないわけではありません。
しかし、基本的には期限を定めた契約である以上、期間内は中途解除できないというのが原則です。
ではどのタイミングで変えることを検討すればよいのでしょうか。
◆不動産会社を変える1つのタイミング
ご売却期間中、不動産会社からは営業報告を受けるものです。
「今週は○件の問い合わせがありました」「内覧希望が○件来ました」などと定期的に販売状況の報告がきます。
しかし、なかなか反響がないというケースもないとは言えません。
そして反響が少ない期間が続けば不動産会社から「価格を下げましょうか」という提案をされることが一般的です。
この提案のタイミングこそが不動産会社の変更を検討する絶好の機会と言えます。
そこまでの販売活動の内容や今後の販売施策など積極的に報告・提案してくれているか。
市場ニーズと照らし合わせて販売価格に妥当性があるかどうかなど、担当者がやるべきことをやっていて値下げを提案してきているかを、ぜひ厳しい目で評価し、見極めてください。
そうでないのであれば「もっとしっかり報告してほしい」「値下げの根拠を示してほしい」とお伝えいただくべきです。
それでも広告活動への積極性や報告内容に変化が見られないようでしたら、契約期限をもってバッサリと切りましょう。
ここで今一度、媒介契約の内容について確認しておきましょう。
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一般媒介契約 |
専任媒介契約 |
専属専任媒介契約 |
契約できる会社数 |
定めなし |
1社のみ |
1社のみ |
契約期間 |
任意
※標準媒介契約約款では3カ月 |
3カ月を上限に設定 |
3カ月を上限に設定 |
レインズへの登録義務 |
任意 |
あり
(締結翌日から7日以内) |
あり
(締結翌日から5日以内) |
業務処理状況報告 |
任意 |
2週間に1回以上 |
1週間に1回以上 |
自己発見取引 |
◯ |
◯ |
× |
不動産会社側に義務違反や落ち度がある場合は契約期間中でも媒介契約を解約することができます。
◆不動産会社はいつでも変えられる?
「いつでも変えられる」というのは少々語弊があり、上述のように契約期間内は一方的な理由だけでは解約することはできません。
媒介契約は最長でも3ヶ月までと法律で決められており、更新手続きをしなければ解約となりますので(自動更新ではありません)、このタイミングであれば比較的容易に不動産会社を切り替えられます。
もし契約期間満了を待たずして解約したい場合は不動産会社との協議が必要となります。
協議を行い、双方の合意に基づいて契約を解除することができます。
その場合、解約の合意書など書面を残すか、メールでのやり取りの履歴を残すなど何かしらの証拠を残しておくようにしてください。
また、不動産会社の対応に不満を感じた際は、まずほかの不動産会社に相談してみるのが得策です。
弊社にて、売却を依頼した不動産会社がきちんと販売活動をしているかどうかを調査することも可能です。
ご不安なお気持ちがございましたらそのままにせず、お気軽にご相談いただければと思います。
蛇足ですが、媒介契約の種類が一般媒介契約であればどのタイミングでも複数社の不動産会社と契約を結ぶことができますので、期間満了を待たずに他の不動産会社と一般媒介契約を締結することが可能です。