「査定額=売れる金額」ではない
一括査定サイトで査定を依頼した時に、思っていたより高額な査定額を提示されることがあります。
SNSの広告などでも「数年前の価格に比べて2倍近くに!」などと誇大表現ともとれる広告が頻繁に表示されますが、前項でもお伝えさせていただいた通り、「査定額=売れる金額ではない」のでご注意ください。
高額な査定額を提示されると「え?こんなに高く売れるの?」と喜ばれる方が多いと思います。
この思考に付け込んだ「高額なだけの査定」を提示する不動産会社が今の時代でもまだ存在することは事実です。
業界用語では「高値預かり」と呼ばれる売主様にとっては好ましくない、売主様を食い物にする許し難いものです。
■「高値預かり」の裏側
例えば
A社:3000万円
B社:2950万円
C社:4000万円
このような査定額が提示された場合に、「C社が高く売ってくれそう」と思いますか?
他の2社が3000万円前後の査定額であるのに対し、C社のみ1000万円も査定額が高い。
このようなケースに実際遭遇してしまった時は、C社に対して「なぜその査定になったのか」とその根拠を必ず聞くようにしてください。
そしてその説明を聞くときに「もし自分がその物件を買う側(買主)だったらその差額に納得するのか」という視点で説明を聞いてみてください。
買主の立場でキチンと納得できるのであれば、あなたが売主としてその不動産を売り出してもその価格に納得してくれる買主さんは現れることでしょう。
しかし、A社やB社の方が説得力が高く、C社の説明に特別な根拠がないのであればC社の査定額は信用しない方が賢明と言えます。
悪質な不動産会社が「高額なだけの査定」をする理由は、「売却依頼を他社に取られないようにするため」ただそれだけです。
依頼欲しさに売れる根拠もない高い査定額を提示するのです。
売却額が適正価格よりも著しく高ければ購入検討者に見向きもされないでしょう。
しかし売却依頼が欲しいだけの不動産会社はそんなことは百も承知です。
売れない期間が長引き売主様が不安になってきたタイミングを見計らって値下げを迫り、結局は時間だけ掛けてもともとの適正価格で売る…というのが末路です。
不動産会社がこのようなことをするメリットは何だと思いますか?
先にも述べましたが高値預かりの理由は売却依頼を獲得することです。
あえて汚い言葉を用いてお伝えしますが、もっともらしい説明と高額査定額を餌に巧みに売主様を騙し、売却依頼物件をいかに多く集めるかが目的なのです。
多くの物件を集めることに成功した不動産会社は表向きには「売却物件を数多く扱っている信頼のおける不動産会社」というように他のお客様の目に映ります。
これこそが悪質な不動産会社の本当の目的なのです。
■悪質な不動産会社を選ばないことが大事
これから不動産の売却を検討されている方にいたっては、どうかこのような悪質な不動産会社を選ばないように気を付けてください。
後悔のない不動産の売却を実現するには「正しい情報」を根拠とした「正しい判断」が必要になります。
まず最初に高額なだけの査定に騙されないよう、周辺の相場がどの程度なのかは知っておいてください。
そして売却査定は必ず複数社に依頼をして相見積もりを取るようにしましょう。
SUUMOなどで販売中の物件情報を見るだけでも相場価格はなんとなく掴むことはできると思います。
自力での把握が難しいと感じた時は我々業者を上手く使っていただけると良いと思います。
■売却査定は不動産会社を見極めるために利用する
不動産査定は単に査定額を知るために使うのではなく、誠実な不動産会社を見極めるためと適正価格を知るために利用するようにしてください。
「正しい情報を見極める力を付ける」
「正しい判断をするための情報収集をする」
これらの活動を通して知識の補完をし、業者の選定の精度を上げていってください。
弊社に限らず、売却を成功に導き、売主様の助けとなるような信頼できる不動産会社を選んでいただけること切に望みます。