レインズの使用目的

前項に出てきました「レインズ」について少し解説します。
レインズとは
Real - Estate Information Network System
の頭文字をとったもので、「不動産流通標準情報システム」のことを指します。
簡単にいうと不動産会社のみが見ることができる不動産情報データベースで、一般の方は閲覧できません。
レインズにはSUUMOやat home、HOME’Sなどと同様に、現在売り出し中の物件情報の他、過去に成約になった事例も多く蓄積されています。
その使用目的は主に次の2つです。
1.物件情報の周知
不動産業界内での情報共有を促進し、不動産取引を円滑にすることを目的として構築されたシステムであり、すべての不動産会社が同じデータベースを閲覧することができます。
つまりレインズへ不動産情報を登録すれば、すべての不動産会社と情報共有ができるのです。
SUUMOなどと同様に条件を絞って物件を検索できますので、購入の相談があれば不動産会社の担当者はレインズで物件検索し、マッチした物件を提案しています。
ーー前項の媒介契約の特徴でもご説明しましたが、媒介契約の種類によってはレインズへの登録義務がなかったり、登録までの日数の猶予が異なります。
レインズは不動産を売却する上では”とても重要”なシステムです。
一般媒介契約では、不動産会社にレインズへの登録義務がないため他の多くの不動産会社へ”売却したい不動産の存在を知らせることができない”のです。
任意で登録は可能なため、媒介契約時にレインズへの登録をしてもらえるかしっかり確認しましょう。
2.査定
レインズは現在売り出されている物件のみならず、過去に「いつ、いくらで、どんな物件が」取引されたかも記録されています。
この過去の成約事例が用いられる局面は「査定」の時です。
「1年前、同じような部屋が4000万円で売れている」
「それから1年経っているので、今だと3800万円くらいかな」
実際はこんな単純な話ではありませんが、このように過去に事例と比較しながら査定額を算出していきます。
「過去にその価格で取引された」という最も揺るがない範例がそこにあるのです。
しかし、各社共通のデータベースであるレインズを使って売却をしたとしても査定する人によって違う数字が導き出されることも、もちろんあります。
なぜなら
・査定に個人の主観が入る
・担当する人によって引用する事例が違う
不動産会社によって査定価格が数百万円以上の違いがあることは現実にありますし、珍しいことではありません。
査定額は「その額で売れる」ことを保証された金額ではありません。これは先述した通りです。
査定額に、より適正な価格が求められるため、参考値として使った事例や査定の根拠を複数社間で比較するようにしましょう。
現代はインターネット情報網が発達しており、不動産会社と消費者との情報格差は埋まりつつあります。
不動産会社に求められることは、情報の透明性とお客様への提案力・コンサルティング能力、誠実さです。
これから不動産会社を選択する立場にいらっしゃる方は、提案内容や情報の開示に対する姿勢などからその会社の真の実力を見極めていただければと思います。