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『そして誰もゆとらなくなった』

カテゴリ:スタッフブログ


みなさん、こんにちは。社長室の矢島です。


こちらは、直木賞作家・朝井リョウ先生による
『時をかけるゆとり』、『風と共にゆとりぬ』につづくエッセイ
「ゆとり三部作」完結編です。

『桐島、部活やめるってよ』、『何者』、『正欲』といった名作に紛れて
なかなか見つけられずにいたのです。
たどり着くのにずいぶん時間がかかってしまいました。
ああ、生きてるうちに読めてよかった・・・。


シリーズ2作目『風と共にゆとりぬ』では、本編について
小説に込めがちなメッセージや教訓を「込めず、つくらず、もちこませず」をモットーに綴った
と記しているのですが、
その精神は本作でも健在なようでした。
読後に残るのは笑いすぎによってお腹に響く痛みだけ。
その痛みが、メッセージや教訓よりよっぽど価値をもつ日が、人にはあります。

初めて同シリーズを読んだとき、あまりにも心がはずんだので、
「小説とのギャップがすごい!」と友人に連絡したのを覚えています。

おなかがとても弱いという同氏は、不測のタイミングで訪れる”催し”によって
毎度思いもよらぬ窮地に追い詰められます。

数多ある「催しエピソード」の中でも、私が好きなのは「精神的スタンプラリーin北米」です。

アメリカのトイレは詰まりやすいのだそう・・・―と、これに続く難局について、
たとえここでネタバレしたとしても、本編のおもしろさが損なわれることはないと断言できます。
それほどまでに、朝井先生の筆致はダイナミックで予測不可能なのです。
とはいえ、以下言及は控えておきましょう。
詳細は、ぜひ本書を手に取ってお確かめください。


疲れた日や、笑顔を忘れそうな日の特効薬として、
心の片隅に置いておきたい一冊です。

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